プロンプトとは
この記事の結論
- プロンプトとは、生成AIのモデルに渡す入力テキストのことです。モデルはこれを読み、続きとなる文章を組み立てて返します。
- 中身は「指示」「資料や前提」「例」「出力形式」の4つに分けて考えると整理しやすくなります。質問1行だけでもプロンプトです。
- チャットでもAIコーディングエージェントでも、実際に送られるのは入力欄の文だけではありません。会話の履歴や読み込んだファイルも一緒に入ります。
ぷろんぷと/Prompt
生成AIに渡す入力テキストのことで、指示だけでなく資料や会話の履歴もその一部になります。
最終更新: 2026-09-26
プロンプトとは(意味と読み方)
プロンプトとは、生成AIのモデルに渡す入力テキストのことです。読み方は「ぷろんぷと」で、英語の prompt には「促すもの」「きっかけ」という意味があります。モデルはこの入力を手がかりに、続きとして自然な文章を1トークンずつ生成します。
いまの意味で広まった背景には、大規模言語モデル(LLM)の研究があります。2020年の論文「Language Models are Few-Shot Learners」は、モデルの重みを更新せず、課題の説明と少数の例をテキストのやり取りだけで与えて解かせる方法を示しました。学習し直すのではなく入力で課題を伝える、という使い方が、いまのプロンプトの考え方の土台になっています。
このページでは「入力そのもの」としてのプロンプトを扱います。書き方を改善する技法の体系はプロンプトエンジニアリング、会話全体の前提を決める指示はシステムプロンプトのページにまとめています。
プロンプトの中身:4つの要素
1つのプロンプトの中には、役割の違う情報が混ざっています。次の4つに分けて見ると、何が足りないかに気づきやすくなります。
- 指示:何をしてほしいか。「要約して」「この関数にテストを足して」など。
- 資料・前提:判断の材料。貼り付けた文章、エラーメッセージ、対象のファイルなど。
- 例:こう返してほしいという見本。例を並べる書き方はフューショットと呼ばれます。
- 出力形式:箇条書き、表、JSONなど、返してほしい形。
Google の生成AI向け API ドキュメント「プロンプト設計の戦略」も、明確な指示、例、制約、応答の形式、背景情報を、プロンプトに含める要素として挙げています。
API を直接使う場合、プロンプトは役割ごとのメッセージに分かれて送られます。OpenAI 社の開発者向けガイド「プロンプトの書き方ガイド(公式)」では、アプリ開発者が書く developer メッセージ、利用者が書く user メッセージ、モデルが返した assistant メッセージが区別されています。長さは文字数ではなくトークンで数えられ、上限を超える分は一度に渡せません。
プロンプトの具体例:エージェントへの作業依頼
AIコーディングエージェントに作業を頼む場面で比べます。
- 足りないプロンプト:
ログイン画面を直して。どのファイルの、どんな不具合かが書かれていません。エージェントは関係しそうなファイルを広く読みにいくことになります。 - 4要素がそろったプロンプト:
src/auth/login.ts で空のメール欄でも送信できてしまう。送信前に形式を確認し、エラー文を表示して。既存のテストは変えず、新しいテストを1本足して。変更点は箇条書きで報告して。
後者は、指示(確認を足す)、資料(ファイル名と症状)、制約(既存テストは変えない)、出力形式(箇条書きの報告)が入っています。
もう1つ知っておきたいのは、入力欄に打った文だけがモデルに届くわけではない点です。エージェントの場合は、ツールが読んだファイルの中身やコマンドの実行結果も、次の入力に追加されていきます。モデルから見れば、それら全部がひとつながりのプロンプトです。
プロンプトについてのよくある誤解
- 誤解:長く丁寧に書くほどよいプロンプトになる
実際:長さより、判断に要る情報が入っているかが効きます。関係のない資料を大量に混ぜると、肝心の指示が埋もれることがあります。 - 誤解:プロンプトは入力欄に打った文のことだけを指す
実際:チャットでは過去のやり取りも、エージェントでは読み込んだファイルや実行結果も入力に含まれます。前の話題を引きずった答えが返るのはこのためです。 - 誤解:同じプロンプトなら毎回同じ答えが返る
実際:生成には確率的なばらつきがあり、temperature などの設定でも変わります。モデルの版が変わっても結果は変わりえます。
プロンプトを書くときの注意点
- 秘密情報を入れない:プロンプトはサービス提供元のサーバーに送られます。APIキーや個人情報を貼り付ける前に、本当に必要かを確かめます。
- 外から来た文章は資料として区切る:Webページやメールの本文をそのまま入れると、中に書かれた命令文にモデルが従ってしまうことがあります。これがプロンプトインジェクションです。
- うまくいった文面は残す:同じ種類の依頼を繰り返すなら、効いたプロンプトを保存して使い回すと、結果のぶれを比べやすくなります。
関連用語
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出典・参考資料
- Brown ほか「Language Models are Few-Shot Learners」(arXiv, 2020):重みを更新せず、課題と例をテキストだけで与える使い方を示した論文
- プロンプト設計の戦略(Google AI for Developers):指示・例・制約・形式・背景情報を含める考え方
- プロンプトの書き方ガイド(API 公式ドキュメント):developer / user / assistant のメッセージの区別
プロンプトについてよくある質問
Q1. プロンプトとは何ですか?
生成AIのモデルに渡す入力テキストのことです。質問1行でも、長い作業指示でも、モデルに読ませる入力であればプロンプトと呼びます。
Q2. プロンプトと指示文は同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味で使われますが、プロンプトのほうが範囲は広いです。指示だけでなく、貼り付けた資料、見本の例、会話の履歴もモデルへの入力なので、プロンプトの一部として扱います。
Q3. プロンプトはどのくらいの長さまで書けますか?
上限は文字数ではなくトークン数で決まっていて、モデルごとに違います。上限の考え方はコンテキストウィンドウのページで説明しています。長さの上限より先に、要らない情報を入れていないかを見直すほうが効果的です。